高い空にうろこ雲が浮かんで、秋の訪れが感じられますね。
湿度が低くなるこれからの季節は特に肌荒れやかゆみが生じやすくなります。無意識のうちに掻いている。痒くて眠れずお困りの方がいらっしゃると思います。

今回は乾燥を防ぐスキンケアについてお伝えします

スキンケア(保清・保湿・保護)
スキンケアを行うことで、皮膚の機能を正常に働かせることができ、体温調整や免疫機能の正常化、感染リスクの軽減にもつながります。

保清 皮膚を清潔に保つ

寝ている時間が 1 日の大半を占める方でも、皮膚は汗や新陳代謝によって汚れていくため、皮膚トラブルを進行させないためにも入浴や清拭でからだを清潔に保つことはとても大切です。
ただし、高齢者の皮膚は薄くなっているため、ナイロンのタオルで擦ったり、 熱いお湯を使用するのは禁物です。これらの刺激は、かゆみが出ている時には心地よく感じますが、乾燥やかゆみを悪化させてしまいます。

保湿  皮膚にうるおいをあたえる

保湿クリームやローションなどで全身をケアしましょう。
皮膚の表面に油分の膜を一枚つくるイメージです。

• 入浴後は、濡れた肌をタオルで優しく押さえるように拭き、なるべく早めに保湿剤を塗ると効果的です。肌荒れや肌の乾燥を防ぎ、肌のすべりを良くしてずれや床ずれ予防にもなります。

• 特に肌が乾燥しやすいのは、膝やひじです。
• 身体が温まってくるとかゆみを生じやすい背中もしっかり保湿しましょう。
• 保湿剤は、薬局などで市販されているもので大丈夫です。
夏場はさっぱりしたローション、乾燥しやすい冬場は保湿成分や油分がしっかり配合されたクリームを使うなど、季節にあわせて選んでみてください。
•「発疹が出る」「赤みがひかない」「たまらない痒みがある」場合は皮膚科を受診しましょう。

保護   刺激をさけて皮膚を守る

• 衣類や靴下は化学繊維を避け、締め付け過ぎないものを選択する。
• 定期的に爪を切り、やすりなどで整える。
• こすれて赤くなっている部位などは、さらにワセリンを薄く塗って保護することをおすすめします。
• 秋から冬は空気が乾燥しやすくなります。さらにエアコンなどの暖房器具を使うと、乾燥をさらに助長するため、加湿器を用いて湿度を 40%~60%に保つようにします。
• こたつや電気毛布の長時間の使用も、肌を乾燥させる原因となります。体温が上がると かゆみも出やすくなるため、長時間の使用は避けましょう。

食事も大切なスキンケア

甘い菓子パンや、カップラーメンや袋麺類など加工食品で食事を済ませず、肉、魚、卵、 乳製品、大豆製品などたんぱく質を多く含む食品を毎食おかずに 1 品入れましょう。乾燥肌への基本対策としては、いろいろな食べ物をバランスよく摂ることです。それぞれの栄養素が体内で働くことで、乾燥肌は改善されます。

大人から子供まで、毎日のスキンケアを習慣にして
「つるピカ肌」でいられるように健やかに保ちましょう。

皮膚トラブルはセルフケアでは改善できない場合があります。皮膚科を受診しましょう。
当訪問看護ステーションでは、 皮膚をこまやかに観察し、必要に応じ医師の指示にもとづいた処置を行います。 また入浴できない方に対しても、きめ細やかな清潔ケアを提供します。