今回は、私たちがお家を訪問させていただく中でよく遭遇する

「こもり熱」についてお伝えします。

1.こもり熱とは 

 こもり熱は、身体から熱をうまく放散できないために体温が上がってしまう状態のことを指します。
医学用語では 「うつ熱」と呼ばれています。

 

個人差がありますが、脇の下で測る体温の平均値は、成人で36.5
℃前後とされています。
高齢者は若者と比べ平熱が0.2℃ほど低い傾向にあります。
また朝と夜でも体温は異なり、夕方の方が少し高めのことが多いです。
こもり熱は、微熱(37〜38℃)が特徴です。

 

2. こもり熱の原因 

 高齢になると、暑さや寒さに対する皮膚の温度センサーが鈍くなり、暑さや寒さを感じにくくなります。また体温調整機能が低下することにより、身体からうまく熱を逃して体温を下げることができなくなります。

暑い時には本来は汗をかき皮膚の血流を増やして熱を放散しますが、 高齢者は汗をかきにくく、また皮膚の血流もあまり増えません。
甲状腺機能の低下により寒がりな高齢者も多く、外気温が30℃を超える真夏の暑い日にも寒がって暖房をつけ長袖を着る方もおられます。

さらに 高齢者は、脱水になりやすいです。

高齢者は体内の水分量が少ないのに加えて喉の渇きも感じにくくなっているため、水分補給がうまくできず体内の水分量がさらに低下します。
脱水になると汗も出にくくなるため、放熱がうまくできなくなり、さらに熱がこもりやすくなります。

 

3.  こもり熱の予防法 

・室温を適正に保つ
高齢者は暑さを感じにくく、クーラーを使いたがらないことが多いです。

窓を開けるのすら嫌がる方もおられます。
部屋の温度をこまめに測り、

夏25~28℃(湿度55~65%)

冬18~22℃(湿度45~60%)

となるように調整しましょう。

・服や布団を着すぎない
真夏に長袖の服を何枚も重ね着したり、冬物の肌着を何枚も着込む方がおられます。
「夜は寒いから」と布団を何枚も重ねて寝られる方もおられます。
これらは体に熱がこもる大きな原因となります。

・水分を補給し脱水を予防する
高齢者は喉の渇きに気がつかないことが多く、自ら水分を補給することが減っています。
気がつかないうちに脱水となっている方も多いので、「喉が渇いたら飲む」ではなく、時間を決めて定期的に一定量の水分を飲むようにすすめましょう。

 

4.こもり熱かなと思ったら  

・まずは環境を見直す

クーラーをつけて室温を下げる。

外にいる場合は日陰で風通しの良い場所で休みましょう。

厚着をしている場合は締め付けの少ない夏物の衣服を着るなどしましょう。

・水分を補給する

脱水があると、汗をうまくかけないために体温が下がりにくくなります。
水分が摂れる状態であれば、 経口補水液や水などを飲ませて水分を補給しましょう。

・からだを冷やす
全身をぬれたタオルで拭くだけでも、効果があります。

・熱が下がらない場合は病院の受診を検討する
こもり熱で体温が38℃を超えることはあまりありません。
上記のような適切な対処をしても体温が 38℃から下がらない場合は、何らかの病気のための発熱が疑われます。
また、体力低下や吐き気などで水分を口から補給できない場合は点滴が必要となります。

 

季節の変わり目は体調を崩し易くなります。

こまめに水分を取り 部屋を涼しくして 元気に夏を乗り越えましょうね。