トラブルの原因に

私たちは普段無意識に息を吸ったり吐いたりを繰り返しています。本来、人間は鼻で呼吸する動物です。「鼻呼吸」であれば鼻毛がフィルターの役割をして、埃や菌をからめとり気管に入るのを防いでくれます。しかし口から呼吸をする「口呼吸」の場合は、埃や菌が直接体の中に入ってしまうため、さまざまなトラブルの原因につながりかねなくなります。

口呼吸の原因は

口呼吸は口の周りの筋肉が衰えた高齢者やあまり硬い物を食べない子供に多いと言われていますが、普段鼻呼吸の方でも風邪や鼻炎などを原因に口呼吸になる方もおられます。

また、コロナ禍ではお話しをする機会が減ったこと、マスクのずれが気になり意識的に口の開きを小さくして知らず知らずのうちに年齢にかかわらず「口呼吸」になっていることがあります。

口呼吸セルフチェック

□無意識的に口が開いている

□食事の時にクチャクチャ音を立てる

□寝起きに口臭が気になる

□寝起きにのどが痛い

□口内炎ができやすい

□唇がよく乾く

□鼻が詰まりやすい

□睡眠時にいびきをよくかく

1つでも症状に当てはまる方は口呼吸をしているかもしれません。

口呼吸で起こること

口呼吸は風邪や感染症にかかりやすくなるだけでなく、口の中が乾燥することで殺菌効果のある唾液が減り虫歯や歯周病、口臭の原因となることもあります。高齢者の場合はドライマウスや誤嚥につながりかねません。口呼吸のかたは舌の位置が正常よりも後ろになることが多いため、舌が気道を塞ぐ睡眠時無呼吸症候群になりやすいことも分かっています。また、顔のたるみ、しわ、二重あごの原因にもなります。

口周りの筋肉をきたえて口呼吸から鼻呼吸へ

口腔内だけでなく全身に影響が出る口呼吸ですが、口の周りの筋肉を鍛えることで改善が期待できます。今回ご紹介する「〇〇体操」で鼻呼吸を目指しましょう。ただし症状がひどい時にはかかりつけ医にご相談ください。

あいうべ体操

「あ」「い」「う」「べ」と発声していく体操

「あ」という時には思いっきり口を開いて

「い」の時には力いっぱい横に伸ばす。

「う」唇を前につき出し

「べ」のときは舌をできるだけ伸ばす。

これを1セットとして一日30セット行えば口元が次第に引き締まってくるはずです。

一気に行うのが辛い方は数回に分けて行ってください。

*痛みのある方はできる範囲で行いましょう。

口元の筋肉がしっかりしてくると、口を自然に閉じることができるようになるため、鼻呼吸への切り替えが楽になります。

鼻呼吸でリラックス効果も

深くゆったりした鼻呼吸は、緊張感を和らげるリラックス効果が期待できます。不安やストレスを感じたときには鼻呼吸による腹式呼吸をおすすめします。